【展示会レポート】福田美術館『福田どうぶつえん』

京都の福田美術館にて、展示会『福田どうぶつえん』が開催されています。会期は2024年7月13日~2024年10月1日です。

前期後期に合わせて78の「動物画」を展示する本展はまさに「アニマルパラダイス」。作品たちは作者ごとでも年代順でもなく、「動物順」に展示されます。様々な美術品を展⽰する美術館と、様々な動物を飼育・公開する動物園との融合を⽬指した展覧会です。

見どころ① 本物そっくりな猛獣の世界

展示会のはじまりは、今にも咆哮が聞こえてきそうな猛獣コーナーから。大橋翠石・万峰兄弟の猛獣画が出迎えてくれます。

大橋万峰《猛虎図屏風》20世紀 福田美術館

大橋 翠石は岐阜県大垣市出身の画家で、「虎の翠石」と称されたほど猛獣画を多く描きました。その腕前は、パリ万国博覧会において日本人で唯一金牌(金メダル)をとるほど。今にも絵から飛び出してきそうな写実性の高い猛獣たちは必見です。

大橋翠石《獣王画》1925年 福田美術館

猛獣コーナーを抜けると、はたらく動物のコーナーへ。畑を耕したり、物を運んだりするウシやウマは、古くから人間のパートナーでした。本展でもそんな動物と人間のリアルな関係性をうかがい知ることができます。

寺崎広業《春山帰牧》19‐20世紀 福田美術館(左)と 横山大観《牧童》1910年 福田美術館(右)

見どころ② ツルツル、ニョロニョロ、フワフワ ユニークな仲間たち

コウモリ、カニ、ヘビ、ウサギ、リス、ニホンザルなど、多種多様な動物たちに出会えるのも本展の見どころ。

小川芋銭《いもり》19‐20世紀 福田美術館

ツルツルとした質感から、ニョロニョロとした動き、フワフワの毛まで。画家たちの細かな描き分けを堪能することができます。

西村五雲《狗児》1938年 福田美術館(左) 円山応挙《竹に狗子図》1779年 福田美術館(中央) 伊藤若冲《仔犬図》18世紀 福田美術館(右)

見どころ③ まるで動物園な展示構成

動物ごとに作品を展示する本展では、解説も動物園さながら。その動物の生態をまとめたボードが要所要所に設置されています。動物について知ることで、絵の味わいもまた違ったものになってきそうです。

森狙仙《親子猿図》18‐19世紀 福田美術館
側には、ニホンザルをもっとよく知ろう!のボードが添えられている

子どもにもわかりやすい振り仮名付きです。夏休みの学びにもぴったりですね。

展示会情報

展示会名         『福田どうぶつえん』    
会場福田美術館
会期2024年7月13日(木)~2024年10月1日 
休館日8月27日(火)展示替え
9月10日(火)設備点検
入場料一般・大学生:1,500(1,400)円
高校生:900(800)円
小中学生:500(400)円
※8/1から31までは小学生入館無料(ただし保護者の同伴が必須です)
障がい者と介添人1名まで:各900(800)円
※( )内は20名以上の団体 料金
※幼児無料
詳細は公式サイトをご連くださいhttps://fukuda-art-museum.jp/exhibition/202403153420

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