徳川美術館は、名古屋市東区にある美術館。尾張徳川家の初代義直(家康九男)以下代々の遺愛品、1万件余りを収めています。
そんな徳川美術館で2024年9月28日に開催された「徳川ナイトミュージアムPREMIUM 源氏夜会2024」の様子をレポートします。
夜の美術館で楽しむ特別な一夜
「徳川ナイトミュージアムPREMIUM」は、ライトアップされた夜の美術館で、お食事やお酒とともに日本美術とゲストによるトークショーを楽しむ特別な一夜です。今回は秋季特別展 みやびの世界「魅惑の源氏物語」「宮廷文化の華」の会期に合わせ開催され、トークショーではNHK大河ドラマ「光る君へ」の脚本を担当されている大石静さんが登壇されました。
イベントは3時間構成。約30分間のトークショーのあとは2時間半に渡り自由時間。ディナーとデザートのビュッフェが振舞われ、展示室も自由に鑑賞できます。2時間半の間、学芸員さんによる解説ツアーが3回に分けて開催され、時間が足りないほど盛りだくさんの内容でした。
見どころ1 笑いあり・新発見ありのトークショー
冒頭のトークショーでは、NHK大河ドラマ「光る君へ」の脚本を担当されている大石静さんと、徳川美術館の学芸員さんが登壇されました。
トークショーの様子は撮影・録音不可でしたが、笑いあり・驚きありのあっという間の30分間。大石先生は3年にわたり「光る君へ」に携わってこられたそうで、キャラクターの魅力やキャスティング・演出への想いまでユーモアを交えて語ってくださいました。
見どころ2 贅沢な学芸員さんの解説ツアー
食事の合間には、少人数制の解説ツアーに参加することができます。展示室を大きく3つに分け、それぞれを20~30分かけて巡る構成です。それぞれの展示室を専属の学芸員さんが解説してくださるので、素人にも分かりやすい解説を聞くことができます。
特別展「魅惑の源氏物語」の目玉は、国宝 源氏物語絵巻。
現存最古の絵巻で、徳川美術館には張徳川家伝来の三巻分(蓬生・関屋・絵合・柏木・横笛・竹河・橋姫・早蕨・宿木・東屋)が所蔵されています。
画像は「蓬生」の帖、源氏が末摘花のいる荒れた邸を訪れる場面です。学芸員さんの解説では、絵巻の黒っぽく見える部分は本来銀箔が貼られており、非常に優美な絵巻だったとのこと。隣には復元見本も併せて展示されており、「光る君へ」のセットの参考にもされたとのことでした。
なお、2024年の特別展では、下記の日程で四帖分の絵巻が展示されます。
■ 秋季特別展「みやびの世界―魅惑の源氏物語」《本館展示室》
9月22日(日)~10月6日(日)「蓬生」
10月8日(火)~10月20日(日)「柏木(二)」
10月22日(火)~11月4日(月・振休)「東屋(一)」
国宝 初音の調度は徳川美術館でも特に人気のある展示。47件ある初音の調度品の、常に1つは常設展示されています。この時は「初音蒔絵楊枝箱」を観ることができました。普段は混雑必至な展示ながら、時間によっては貸し切りで堪能することができるのも、ナイトミュージアムの魅力の1つです。
見どころ3 五感で満足 食事やお土産の数々
徳川ナイトミュージアムでは、トークショーや解説ツアー以外の楽しみもたくさん。フードとデザートのビュッフェが、美術鑑賞に彩りを添えてくれます。
フードは日本料理宝善亭の用意。会席料理を気軽なフィンガーフード形式でいただくことができます。それぞれ源氏物語にちなんだメニュー名が付けられており、
お土産は坂角総本店の姫ゆかり。国宝 「初音蒔絵小角赤手箱」とのコラボレーションBOXです。旅行会社経由で申し込んだ人限定で、国宝「源氏物語絵巻」をモチーフにした和三盆をいただくこともできました。
徳川ナイトミュージアムは今後も不定期での開催が予定されています。いつもとは違う贅沢な一夜を過ごしてみるのはいかがでしょうか。
美術館概要
施設名 | 徳川美術館 |
所在地 | 名古屋市東区徳川町1017 |
観覧料(徳川美術館・蓬左文庫観覧料 個人の場合) | 個人 1,600円 高・大生 800円 小・中生 500円 |
開館時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
休館日 | 月曜日(祝日・振替休日の場合は直後の平日) |
HP | https://www.tokugawa-art-museum.jp/ |